参考資料
このページには、無料で閲覧でき、有用と思われる参考資料が集めてあります。
なお、ガイドラインの巻末の引用文献リストは客観的かつ網羅的ですので、そちらも参考にされるとよいでしょう。
ガイドライン
日本大腸肛門病学会 による 肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン
米国結腸直腸外科学会 (ASCRS) ガイドライン
直腸脱の評価 (Evaluation of Rectal Prolapse)
直腸脱患者の初期評価には、完全な病歴と身体検査が必要であり、脱出、肛門括約筋の構造と機能、付随する症状や基礎疾患に焦点を当てる必要がある。
(The initial evaluation of a patient with rectal prolapse should include a complete history and physical examination with focus on the prolapse, on anal sphincter structure and function, and on concomitant symptoms and underlying conditions.)
非手術的管理 (Nonoperative Management)
直腸脱は非手術で改善することはできないが、便失禁、痛み、便秘など、この症状に伴ういくつかの症状は、内科的に緩和することができる。
(Rectal prolapse cannot be corrected nonoperatively, although some of the symptoms associated with this condition, such as fecal incontinence, pain, and constipation, can be palliated medically.)
直腸脱の手術 (Operations for Rectal Prolapse)
論文
日本大腸肛門病学会雑誌 65 巻 10 号 主題 II:直腸脱の診断と治療
2012年の特集
ですが、非常によくまとまっています。エキスパートの先生方が書いておられ、大変参考になります。
まだ腹腔鏡手術が広く行われるようになる前の内容です。
還納法
経会陰 (経肛門) 的直腸脱手術の問題点
病態生理
直腸脱にみられる便通異常の病態生理
1982年の古い論文になりますが、直腸脱にみられる括約不全が1次的なものか2次的なものかについての検討がわかりやすく記載されています。
歴史的資料
直腸脱ノ手術的療法ニ就テ
昭和初期の総説+症例報告論文です。1930年の論文ですが、ティルシュ手術、デロルメ手術、ミクリッツ手術 (アルテマイヤー手術の切除範囲をS状結腸まで拡大したもの、現代のアルテマイヤー手術はむしろこちら) などが紹介されています。
高度な脱出や嵌頓にはミクリッツ手術、中程度にはデロルメ手術や直腸固定法、軽度にはティルシュ手術が適応とされています。
1922~1929年の21症例に対する施行術式
ただ、ミクリッツ手術の死亡率10%、デロルメ手術も「相当出血が多い」ため「煩わしく不愉快なだけ」の疾患に対して「かなり大袈裟」であり、ティルシュ手術を選択するのが一般的と述べられています。
症例報告は、銀線でティルシュ手術をしたが、締めすぎて疼痛があり27日後に抜去したものの、その後再発なく完治したという若年男性についてです。
銀線だと抜去後も瘢痕が残るのでしょうか?現代では用いられない材料ですので筆者にはわかりませんが。